人参を水耕栽培で育てるポイントは? 道具購入場所などご紹介

定番野菜である「人参(にんじん)」は、春から冬まで1年中栽培できます。発芽までが難しいと言われていますが、発芽すれば家庭菜園の初心者でも栽培できるでしょう。近年、水耕栽培で家庭菜園を始める方が多いですが、人参も水耕栽培が可能です。室内の狭いスペースでも、知識を深めコツをつかめば上手に育てることができるでしょう。

本記事では、人参の基礎知識や水耕栽培の方法・ポイント・道具購入や相談について説明します。

  1. 人参の栽培について
  2. 人参の水耕栽培について
  3. 人参の水耕栽培方法
  4. 人参の水耕栽培のポイント
  5. 水耕栽培の道具購入・相談について
  6. 人参の水耕栽培に関してよくある質問

この記事を読むことで、水耕栽培で人参を育てるために必要な知識とコツが分かります。興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

1.人参の栽培について

人参の魅力や種類・栽培方法について説明します。実際に、人参の栽培を始める前にぜひチェックしてください。

1-1.人参について

子どもが嫌いな野菜によくピックアップされるのが人参ですよね。大人になっても味が苦手と感じる方は多いでしょう。しかし、人参はカロテンを豊富に含んでいる緑黄色野菜の王様です。カロテンを摂取すると、体の中でビタミンAに変わり、細菌に対する抵抗力の向上や皮膚や喉(のど)などの粘膜を健康にする力があります。

また、人参にはさまざまな種類があることをご存じでしょうか。スーパーマーケットなどでよく見かけるのは、五寸人参と呼ばれるものです。そのほかにもミニキャロットや京人参・リコピン人参・葉人参・金美(きんび)などがあります。

1-2.人参の栽培方法について

人参の栽培方法は、土栽培が基本です。畑やプランターで土づくりを終えて種まきを行います。人参の発芽は難しい傾向があるため、初心者は苗からの栽培がおすすめです。春から冬にかけて栽培できる野菜ですが、春と夏が種まきの時期となります。ビニールなどでトンネル状におおうトンネル栽培を利用すれば、冬にまくことも可能です。また、最近注目されている水耕栽培でも、人参を育てることができます。

人参は個人でも栽培ができるんですね。
はい。子どもと一緒に栽培すれば食育にもなります。

2.人参の水耕栽培について

水耕栽培は、初心者でも簡単に育てることができると好評です。ここでは、水耕栽培の魅力や人参を育てるメリット・土栽培の違いについて説明します。

2-1.水耕栽培・魅力について

植物を育てる場合は、土を使用するのが当たり前でした。しかし、土を使わずとも、水と養液を使う「水耕栽培」でも育てることができるのです。水耕栽培の大きな魅力と言えば、1年中安定した収穫ができる・土いじりをしないで済む・連作障害がほとんどないことでしょう。室内での栽培が可能なので、天候に左右されることはありません。土をいじることがなく、同じ土で何度も作物をつくることで起きる連作障害も起きないのです。また、初心者でも、土栽培より簡単に育てることができます。

2-2.人参の水耕栽培のメリット

水耕栽培に向いている野菜は葉野菜が多く、根菜類は向いていないと言われています。そのため、水耕栽培では人参の実を育てることができません。水耕栽培で人参を育てる場合は、人参葉を育てることになります。

また、水耕栽培を利用すれば、部屋の中を汚さずに、人参を育てることができるのです。1人暮らしの狭いスペースでも、コツをつかめば上手に育てることができるので安心してください。無農薬の安心安全な人参が食べられるのも、水耕栽培のメリットです。

2-3.土栽培との違い

土栽培と水耕栽培の大きな違いは、土の有無です。水耕栽培は、土を使わずに野菜を育てる方法で、土栽培のように草刈りをする必要がありません。また、害虫・病害問題も少ないのです。自動制御ができる水耕栽培システムもあるため、留守中でも安心して育てることができます。

「人参の実が育てられないなら意味がない」と思うかもしれませんが、人参の葉には、β-カロテン・ビタミンC・カルシウム・ビタミンE・鉄分など豊富な成分が含まれているのです。サラダはもちろんのこと、胡麻和え・おひたし・炒めものなど、さまざまな食べ方ができます。

水耕栽培する場合、根ではなく葉を育てることになるんですね。
はい。葉も食べられますし、うまくいけば白い花を咲かせることもできます。

3.人参の水耕栽培方法

それでは、実際に人参の水耕栽培を行うためには、どうすれば良いのでしょうか。

3-1.人参の育てやすい品種について

人参にはさまざまな種類がありますが、中でも水耕栽培に向いているのは「三寸人参」です。三寸人参は、根が短く、五寸人参と同じくスーパーマーケットなどで並んでいます。三寸人参は、プランター栽培でも育てやすいと言われているため、水耕栽培にもおすすめです。まずは、栽培しやすい品種から育ててみてはいかがでしょうか。

3-2.栽培方法について

人参などの根菜類は、ヘタの部分から葉の部分を再生させる方法で育てていきます。簡単な栽培方法の手順を、以下にピックアップしてみました。

  1. 人参を1.5cm程度の厚みを残してヘタをカットする
  2. 浅い容器に人参を入れて、ヘタの上部分が水につからないように1cm程度の水を入れる
  3. 窓際などの明るい場所に移動し、毎日1回は新しい水に入れ替える
  4. 1週間ほどで若葉が出てくるので、摘(つ)んで収穫する

3-3.そろえる道具について

水耕栽培を始めるためには、必要な道具を準備しなければなりません。最低限、用意しておきたいものは、以下のとおりとなります。

  • 種、または苗(ヘタの部分)
  • 水を入れる容器
  • 液肥
  • 土台となるスポンジ

植物が成長するためには、光合成をするための光が必要です。室内に置く場合は、1日12時間ほど太陽の光が当たる場所を選んでください。日光が十分でない場合は、植物栽培用ランプなどの照明も用意する必要があるでしょう。

へたを切って水に浸けておくだけでできるんですね。
はい。料理で人参を使ったときにでもチャレンジしてみましょう。

4.人参の水耕栽培のポイント

水耕栽培における人参の栽培場所や時期・育て方のポイント・収穫・注意点について説明します。

4-1.栽培場所

人参の葉っぱを育てると言っても、日光に当てなければならないので日当たりと風とおりの良い場所に置いてください。1日中日光が当たらず、湿気がこもるような場所は不適切です。人参は、冷涼な気候を好む野菜ですが、高温に弱い傾向があります。ただし、冬は霜が降りるときもあり、夏場は太陽の光が強いので、室内できちんと管理しましょう。

4-2.栽培時期

水耕栽培は、栽培時期に関係なく1日中栽培できる方法です。栽培時期に気をつかう必要はありませんが、比較的栽培しやすい春と秋が良いでしょう。気候の管理もしやすくなるため、初心者でも安心して育てることができます。大切なのは、毎日様子を窺(うかが)うことです。

4-3.育て方のポイント

人参の発芽は難しいと言われていますが、初心者でも挑戦してみる価値はあるでしょう。発芽に挑戦する場合は、スポンジ・種・容器・液肥を準備してください。まず、スポンジを小さくカットして、中心に十の字の切れ込みを入れた後に水で湿らしましょう。

そして、スポンジの中心に種をのせて、乾燥しないように養液に入れてください。後は、窓際へ移動して日光を当てたり、水を毎日入れ替えたりするなどの管理をしていけば、発芽します。

基本的に、育て方のポイントは水・肥料・太陽光の3点です。水から栄養分を吸収するため、できるだけ毎日替えて、新鮮な水を与えていきましょう。適度な光を当て、葉や茎に元気がないときは追肥をしてください。また、害虫を発見したときは、ピンセットですぐに取りのぞきましょう。

4-4.収穫について

水耕栽培は、土栽培よりも成長スピードが速い傾向があります。速くても、1~2週間で葉が伸び収穫できるでしょう。いつの間にか葉が大きくなることもあるため、若葉が出てきたらすぐに摘(つ)んでください。こまめに収穫することも、水耕栽培で育てるポイントとなります。

4-5.注意点

人参などの根菜類は、実の部分ではなく、葉の部分を再生して食べることになります。実の部分も再生できると思いがちですが、水耕栽培ではできませんので注意してください。水耕栽培でできることをきちんと把握してから、栽培を始めることが大切ですよ。

水耕栽培には日光も大切なんですね。
はい。できれば日の当たる場所で育てましょう。

5.水耕栽培の道具購入・相談について

水耕栽培の道具が購入できるところや手軽なキットの紹介・購入場所の選び方・費用などについて説明します。水耕栽培について、相談したい方はぜひ参考にしてください。

5-1.水耕栽培の道具購入・栽培の相談について

水耕栽培の注目度が高まってきていることから、道具を取り扱う店舗が増えてきました。大型ホームセンターや園芸店などで、水耕栽培の道具が購入できます。しかし、実店舗で販売されている種類は限られているため、幅広い種類から選びたい方はインターネットサイトがおすすめです。

水耕栽培の道具を販売している「水耕栽培どっとネット」では、多種多様な商品を扱っています。初心者でも、テクニカルサポートや充実したアフターケアを提供しているので、ご安心ください。

5-2.手軽なキット紹介

水耕栽培に必要な道具を1つずつ集めるのは、時間と手間がかかります。そこで、おすすめしたいのが「水耕栽培キット」です。必要な道具がすべてそろっているため、すぐに栽培を始めることができます。「水耕栽培どっとネット」で販売しているエアロガーデンは、誰でも簡単に始められる画期的な水耕栽培システムです。卓上ミニガーデンとなっているため、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

5-3.購入場所の選び方

購入場所を選択する際は、安心できるところか慎重に見極めることが大切です。悩んだときは、以下の項目に注目して選んでください。

  • 幅広い商品を取り扱っているか
  • 新商品・新技術のアイテムが充実しているか
  • 低価格かつ高品質の道具が購入できるか
  • サポートやアフターケアが充実しているか
  • 丁寧でスピーディーな対応か
  • 水耕栽培について詳しいスタッフが在籍しているか

5-4.費用について

「水耕栽培どっどネット」の水耕栽培キットは、19,800円(税込み)です。2万円以内で購入できるので、比較的手に入れやすい値段と言えるでしょう。業者の中には、品質が悪いにもかかわらず、高値で売るところもあります。購入する前に、複数の業者を比較して安心できる業者・店舗で購入してください。

5-5.注意点

「お金がもったいないから」と、自分で水耕栽培キットをつくるという方もいます。ある程度、水耕栽培に慣れた人であれば、自作でも構いません。しかし、初心者は失敗するおそれがあるため、水耕栽培キットを購入したほうが上手に育てることができるでしょう。無理をせずに、気軽に始められることからスタートしてください。

水耕栽培の道具を販売する専門店もあるんですね。
はい。人参の栽培がうまくいき、ほかの植物にもチャレンジしたくなったら利用してみましょう。

6.人参の水耕栽培に関してよくある質問

人参の水耕栽培に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.なぜ、毎日水替えをしなければならないのか?
A.水耕栽培にとって、水には成長に必要な栄養分が含まれています。毎日水替えをしなければ、水が腐ってしまい、十分な栄養分が人参へ行きわたらなくなってしまうので注意してください。できれば、毎日1回キレイな水に入れ替えましょう。また、定期的に容器の部分につきやすい藻(も)などの汚れもキレイに掃除してくださいね。

Q.初心者によくある失敗は?
A.水耕栽培の初心者によくある失敗は、日照不足と水替えです。水替えは1日1回忘れないようにしておきましょう。そして、日照不足により、葉が下がってしまい元気がなくなります。日中は太陽が当たる場所へ移動させ、夜はキッチンなどに置いておくなど工夫をしてくださいね。

Q.液肥は何を使えば良いのか?
A.水耕栽培に使用する液肥は、ハイポニカやハイポネックス・ベジタブルライフAが代表的です。それぞれ、希釈の倍数が異なるので事前に確認しておきましょう。基本的に、液肥は水に薄めて使います。

Q.人参に発生しやすい病害虫は?
A.水耕栽培は土栽培よりも病害虫の発生率は低いですが、絶対に発生しないとは限りません。人参に発生しやすい病害はうどんこ病・黄化病・黒葉枯病(くろはがれびょう)、害虫はキアゲハ・ニンジンアブラムシ・ヨトウムシなどです。

Q.水耕栽培から土栽培に変えることはできるのか?
A.水耕栽培で葉が伸びてから、土に植え替えることもできます。実際に、土へ植え替えたことで花が咲き、実が成長するようになったという方もいるのです。土栽培に変更するときは、実の部分から小さなヒゲのような根が出てきたときをねらってください。

まとめ

根菜類は水耕栽培に向いていないと言われていますが、三寸人参などの品種は水耕栽培で育てることができます。ただし、実の部分ではなく、あくまで葉の部分を成長させる栽培方法となるので注意してくださいね。水耕栽培は、家庭菜園の初心者でも簡単に始めることができます。必要な道具がそろっている水耕栽培キットも販売されているので、知識を身につけて、ぜひ人参を育ててみてください。


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