チンゲン菜を水耕栽培で育てるコツは? 必要なもの、最適な時期などを解説

チンゲン菜は、水耕栽培に適した野菜です。水と液体肥料で育てることができる水耕栽培は、家庭菜園初心者でも簡単に育てることができると好評を得ています。野菜を上手に育てるためには、種類ごとの特徴を把握することが大切です。

そこで、本記事では、チンゲン菜の栽培に適した時期や、水耕栽培のポイントなどについて解説します。

  1. チンゲン菜ってどんな野菜?
  2. チンゲン菜の栽培に適した時期は?
  3. チンゲン菜の水耕栽培に必要なもの
  4. チンゲン菜の水耕栽培方法
  5. チンゲン菜の水耕栽培に関してよくある質問

この記事を読むことで、チンゲン菜を水耕栽培で育てるコツが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.チンゲン菜ってどんな野菜?

まずは、チンゲン菜がどのような野菜なのか特徴をチェックしておきましょう。

1-1.中華料理に欠かせないポピュラーな野菜

チンゲン菜をよく使う料理と言えば、中華料理です。中華料理には欠かせない野菜の1つで、中国から伝わりました。和名では体菜(たいさい)と呼ばれており、葉の部分は加熱してもシャキシャキとした食感が残ります。中華料理で頻繁に使われることが多いのですが、最近では洋食系でも使われるようになりました。また、チンゲン菜には美肌効果が期待できるビタミンCや免疫力を高めるカロテンなど栄養が豊富です。油と一緒に摂取すれば、カロテンの吸収率もアップします。

1-2.適応力が強い野菜

チンゲン菜は適応力が強い野菜だと言われています。主な産地は、茨城・静岡・群馬・愛知・埼玉あたりですが、沖縄や北海道など日本の北から南まで全国各地で栽培されているのです。また、チンゲン菜が多く出まわる時期は春と秋の穏やかな気候ですが、基本的に通年各地から出荷されています。全国各地で栽培されているほど、チンゲン菜は適応力が強いので家庭菜園向きと言えるでしょう。

1-3.家庭菜園初心者におすすめの葉野菜

レタス・葉野菜の1つであるチンゲン菜は、家庭菜園の初心者におすすめしたい種類です。涼しい気候を好む傾向がありますが、夏の暑さにも強い野菜なので育てやすい特徴があります。基本的に、葉野菜全般は初心者向きの野菜と言えるでしょう。また、水と液肥で育てる水耕栽培も向いているので、ベランダや庭がない方にも室内で育てることができます。

2.チンゲン菜の栽培に適した時期は?

では、チンゲン菜の栽培に適した時期はいつになるのでしょうか。

2-1.栽培に適した時期は春と秋

前述したように、チンゲン菜は春と秋の出荷量が多く、穏やかな気候ほど育てやすい時期と言えます。特に、種から育てる場合は、春と秋に種をまくと育てやすくなるでしょう。低温に当たると花芽ができ、春になるとトウが立ちます。穏やかな気候に種をまいたほうが開花しやすくなるのです。ただ、トウが立つ前に収穫するか、トウを食べたほうがいいでしょう。あくまで目安ですが、種をまいてから収穫までの日数はだいたい1か月半~です。発芽の平均気温は20~25℃がベストな温度となります。

2-2.地域によって違うまき時と収穫時期

北海道・東北寒冷地・中間地・暖地によって、種をまく時期と収穫時期が異なるので注意してください。それぞれの目安となる時期は以下のとおりです。

  • 北海道:まき時 5月中旬~9月中旬/収穫時期 7月中旬~11月初旬
  • 東北寒冷地:まき時 5月中旬~9月中旬/収穫時期 7月中旬~11月初旬
  • 中間地:まき時 3月中旬~10月中旬/収穫時期 5月中旬~11月中旬
  • 暖地:まき時 3月中旬~10月中旬/収穫時期 5月中旬~11月中旬

2-3.水耕栽培なら1年中栽培&安定した収穫が可能

水耕栽培は土を使わずに、水と液肥で育てる画期的な栽培方法です。水耕栽培は、1年中栽培できるのが大きなメリットと言えるでしょう。室内で育てるのが基本なので、天候や気温の影響を受けることはありません。チンゲン菜は育てやすい野菜ですが、外で栽培すると害虫や病害の被害に遭(あ)うリスクが高まります。けれども、室内で育てる水耕栽培なら土栽培よりもリスクを最小限に抑えることができるのです。水耕栽培については、後ほど【4.チンゲン菜の水耕栽培方法】で解説するので、ぜひチェックしてください。

3.チンゲン菜の水耕栽培に必要なもの

ここでは、チンゲン菜の水耕栽培に必要なものを解説します。

3-1.ペットボトルまたはガラス瓶などの容器

チンゲン菜を水耕栽培で育てる場合、プランターの役割を担うことのなるペットボトルまたはガラス瓶などの容器が必要です。容器の中に水と液肥を入れて、根が浸(つ)かるようにセッティングします。水耕栽培は根から栄養分を吸い取り成長するので、水と液肥を入れるための器が必要なのです。家にある大きめのペットボトルを用意するだけで簡単に水耕栽培を始めることができます。気軽に栽培できるのも水耕栽培ならではのメリットと言えるでしょう。

3-2.培地の役割を果たすロックウール・ウレタン発泡樹脂

水耕栽培に必要なのは、根の部分を固定するための「培地」です。土栽培の場合は、土が根の部分を固定してくれますが、土を使わない水耕栽培の場合は、固定するものがないのでウレタン発泡樹脂かロックウールを使って固定することになります。植物を支えることで、養液から十分な栄養を吸収することができるのです。しっかりと支えておかなければ、栄養素が吸収できなくなり、根も不安定になってしまいます。

3-3.エアポンプや植物用ライトを用意すると便利

よりスムーズに育てるために、酸素を送るための装置・エアポンプや、植物に光を当てる植物用ライトを活用するのも方法の1つです。エアポンプで酸素をたくさん送ったほうが植物が元気に育ち、チンゲン菜の収穫も安定します。室内の暗い場所で育てることが多い場合は、日照不足で根腐れを起こす可能性があるので要注意です。太陽の光が当たらない場所で育てるなら、定期的に光が当たる場所へ移動したり、植物用ライトを使ったりするといいでしょう。

3-4.種から育てる場合はスポンジとケースを用意

水耕栽培で種から育てる場合は、スポンジと底が浅いケースを用意してください。スポンジごとに種を1枚ずつまいていき、そこに溶液を染み渡らせます。そうすることで、発芽のタイミングが早くなり、均等に栄養分を与えることができるのです。スポンジやケースは100均ショップでも購入できるので、水耕栽培の準備にそれほどお金はかかりません。気軽な気持ちで種から育てられるようになるでしょう。

3-5.初心者は水耕栽培キットがおすすめ

家庭菜園の初心者で「栽培に不安がある……」という方は、水耕栽培キットをおすすめします。水耕栽培キットは、栽培に必要な道具がそろっているので購入するだけで簡単に育て始めることができるでしょう。近年は、水耕栽培が注目されているため、ホームセンターや園芸店でも購入できますが、栽培キットや道具が豊富にそろっているインターネットサイトのほうが便利です。水耕栽培どっとネットでは、水耕栽培キットはもちろんのこと、さまざまなアイテムがそろっているのでぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

4.チンゲン菜の水耕栽培方法

それでは、チンゲン菜の水耕栽培方法やポイントを紹介します。

4-1.発芽から容器に移すまでの流れ

自分で種から育てる場合は、以下の手順を参考にしてください。

  1. スポンジを用意し細かくカットする
  2. スポンジの中心に十の字の切り込みを入れて湿らせる
  3. 切り込み部分に種をのせて、水をためた容器(トレーなど)に入れる
  4. 日光が当たり、風とおしの良い場所で管理しながら毎日水を換える
  5. 発芽したものからペットボトルなどの容器に移す

ここでのポイントは、日光が当たり、風とおしの良い場所で管理することです。発芽のためには日光が必要なので、必ず日光が当たる場所で管理してください。また、十分な栄養分が吸収できるように、毎日水を換えるのも大切なポイントです。ただし、初心者は種からではなく苗から育てたほうがいいでしょう。

4-2.ペットボトルを使った水耕栽培

自分で水耕栽培にチャレンジする場合、ペットボトルを使った方法があります。誰でも簡単にできる方法なので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。詳しくは下記の手順を参考にしてください。

  1. ペットボトルを上から1/3のところで2つにカットする
  2. 飲み口が下になるようにさし込む
  3. ペットボトルのまわりをアルミホイルでまいて藻の発生を防ぐ
  4. スポンジをペットボトルの口にさし込み、下のペットボトルに水を入れる
  5. 根が水まで届かない場合は、ポリエステル製のフォルトをスポンジに浸けて水を吸い上げられるようにする
  6. 毎日水を入れ換え、規定量に薄めた液体肥料を1週間に1回程度加える
  7. 直射日光が長時間当たらない明るい場所で管理する

4-3.管理場所と水換えがポイント

前述したように、チンゲン菜を水耕栽培で育てる場合は、なるべく日光が当たる風とおしの良い場所で管理してください。日光は植物の光合成に必要不可欠で、風とおしの良い場所は湿気をため込まないポイントとなります。日光は必要ですが、直射日光が当たる場所はできるだけ控えましょう。チンゲン菜は暑さに強くても、夏場の直射日光に当て続けると葉焼けを起こしてしまいます。水も蒸発しやすくなり、根腐れが起きやすくなるので注意が必要です。水換えもできるだけ毎日行うように心がけましょう。

4-4.液体肥料は規定量に薄めて入れる

水耕栽培は液体肥料で植物に栄養を与えることになりますが、液体肥料は必ず規定量に薄めてから混ぜなければなりません。初心者でよくありがちな失敗は、きちんと規定量に薄めず、そのまま液体肥料を入れてしまうことです。そのまま入れてしまうと刺激が強すぎて、いつの間にか植物が枯れてしまうことになります。また、液体肥料の種類によって薄める規定量が異なるので、その点にも十分に注意してください。

5.チンゲン菜の水耕栽培に関してよくある質問

チンゲン菜の水耕栽培に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.チンゲン菜の効用は?
A.グリーンが美しいので料理を引き立ててくれるだけでなく、チンゲン菜は栄養価が高い野菜です。たとえば、豊富に含まれているβカロテンは、体内に入ると必要なビタミンAに変わります。免疫力アップや視力の維持・毛髪の健康維持などの効果が期待できるでしょう。また、むくみを解消や高血圧の予防などの効果が期待できるカリウムも豊富に含まれています。

Q.苗選びのポイントは?
A.なるべく色が緑色の元気な苗を選びましょう。茎がしっかりしているか、葉が虫食いの被害に遭っていないかなど、事前にチェックすることが大切です。元気で丈夫な苗を選ぶことで、初心者でも簡単に育てることができます。ただし、苗選びに失敗してしまうと、すぐに枯らしてしまう恐れがあるので注意してくださいね。

Q.水耕栽培でよくある失敗は?
A.よくあるのは根腐れです。水を換えなかったり、発生した藻をそのままにしたりするなど、不衛生な環境を放置することで根腐れを起こします。一度、根が腐ってしまうとなかなか回復に時間がかかったり、回復しなかったりするので念には念を、毎日様子をチェックしたほうがいいかもしれません。

Q.水耕栽培のメリットは?
A.最大のメリットは、室内で育てられる点です。1人暮らしの部屋はあまりスペースがありませんが、水耕栽培ならキッチンや窓辺などちょっとした空間でも育てることができるでしょう。さらに、水耕栽培は気候の影響を受けないので安定した収穫が見込めます。チンゲン菜はさまざまな料理に使えるため、食費の節約にもつながるでしょう。

Q.ネットで購入する際の注意点は?
A.水耕栽培に必要な道具の種類が豊富か、無料相談などを受けつけているか、管理が徹底しているかなどをチェックしてください。水耕栽培どっとネットでは、無料相談を受けつけているので、何らかのお悩みを持っている方はぜひ1度相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

さまざまな料理に使えるチンゲン菜を水耕栽培することで、安定した収穫を見込め、食費節約につながります。チンゲン菜は水耕栽培に適した野菜であり、家庭菜園の初心者でも気軽な気持ちで挑戦できるでしょう。ペットボトルを使って育てる方法もありますが、初心者は水耕栽培キットがおすすめです。あらかじめ、必要な道具がそろっているので、すぐに栽培を始めることができますよ。


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