水耕栽培のアオコ対策についてご紹介します。土を使わないため汚れにくく、インテリアとしても楽しめる水耕栽培。ガーデニング初心者でも失敗が少ないということで、近年人気を集めています。しかし、水を多く使うため「アオコ」の発生には注意が必要です。アオコは病原菌の温床になりやすいため、早めに対策を考えておかなければなりません。見た目の問題にも影響してしまうことになるでしょう。
この記事では、水耕栽培のアオコ対策についてまとめてご紹介します。
この記事を読むことで、なぜアオコが発生するのか、どうすれば予防できるのかがわかります。水耕栽培を楽しむために、ぜひ参考にしてみてください。
1．水耕栽培について
まずは、水耕栽培についてまとめてみました。土で栽培する方法との違いやメリットなどにはどのようなものがあるのでしょうか。
1-1．水耕栽培とは？
水耕栽培とは、土を使わずに水と液体肥料だけで植物を栽培する方法です。もちろん、植物だけでなく野菜や果物も栽培することができます。透明な容器で栽培すると根の美しさも楽しむことができ、インテリアとしても人気です。特にバジルやレタスなどは水耕栽培で育てやすく、初心者にもおすすめできます。水耕栽培は身の回りにあるアイテムを使って始めることもできますが必要なものがすべてそろった「水耕栽培キット」を使用すると失敗なく栽培できるでしょう。
1-2．土で栽培する方法との違いとメリット
水耕栽培には、土で栽培する方法と比較してさまざまなメリットがあります。
- 畑がなくても狭いスペースで栽培できる
- 室内で栽培できるため天候に左右されない
- 土を使わないため害虫がつきにくい
- 殺虫剤を使わず安全な野菜や果物が作れる
- 土で栽培するより植物の成長が早い
1-3．水耕栽培の方法
自作で水耕栽培を始めるのであれば、ペットボトルやプラスチックのコップなどにセットしたスポンジに種を植えるだけで芽が出てきます。植物が育ちやすい環境を整え、正しく管理していれば大きく成長するはずです。もちろん、苗や球根から育てることもできます。本格的な水耕栽培を望むのであれば、市販のキットを使用する方法がおすすめです。LED照明などもセットになっているため、日当たりが悪い部屋でも立派に成長してくれるでしょう。
2．水耕栽培のアオコ問題
水耕栽培で発生しがちなアオコについて、その正体や原因をまとめてみました。
2-1．アオコの正体とは？
水耕栽培で発生する藻のことをアオコと言います。アオコの正体は植物性のプランクトンが大量発生したものです。水面に青緑色の粉をまいたように見えることからこう呼ばれるようになりました。アオコは栄養がある水の中で光合成をしながら繁殖していき、酸素がなくなると腐ります。
2-2．水耕栽培におけるアオコの被害について
水耕栽培でアオコが発生した場合、少量であれば植物に影響はありません。しかし、大量に増えると水質が悪くなるため、対処する必要があるでしょう。アオコが増えると、悪臭が発生する、肥料の吸収が悪くなるなどの被害が考えられます。また、アオコが発生していると見た目にもよくないでしょう。特に、透明の容器を使って水耕栽培しているとアオコが目立ってしまいます。せっかくのインテリアが台無しになってしまう前に、何とかしましょう。
2-3．主な原因
アオコが発生する条件には、以下のようなものがあります。
- 気温の上昇
- 水温の変化
- 生態系バランスの崩壊
平均気温が25度を上回るようになると、水温が上昇してアオコが大量発生します。特に、昼夜の温度変化が激しい地域では注意が必要です。
2-4．ほかの病気との違いは？
水耕栽培の場合は水中で病原菌の感染が広がってしまいやすいため、病気には十分注意しなければなりません。最も気をつけたいのが、カビです。カビは過湿状態になるとすぐ発生してしまうため、使用する器具の消毒などをしっかり行う必要があるでしょう。水耕栽培でカビが発生すると、植物は病気になってしまいます。一方のアオコは、直接植物を病気にするものではないのです。ただし、病原菌の温床になりやすいという特徴があるため、早めに取り除かなければなりません。
3．水耕栽培のアオコ対策
では、水耕栽培でアオコが発生してしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。対策方法や注意点をご紹介します。
3-1．アオコが発生してしまったら？
水耕栽培でアオコが大量発生してしまうと、根に付着することで栄養の吸収が阻害されてしまいます。その結果、植物が枯れてしまうこともあるのです。もちろん、水を取り替えることでアオコを取り除くことはできます。しかし、一番大切なのはアオコの発生を防ぐことです。
3-2．栽培環境をチェックしよう！
まずは、栽培環境をチェックしてみましょう。アオコが発生しやすい環境になっている場合は、改善が必要です。アオコは光と栄養分があれば繁殖します。つまり、この2つを遮断することで大量発生を防ぐことができるでしょう。栄養分を取り除くことはできませんが、光は遮断することができます。日光の当たりすぎによってアオコが発生している場合は、置き場所を変えるなどの対策が必要です。
3-3．おすすめの対策方法
アオコの発生や繁殖を抑えるための薬剤を使用する方法もあります。水耕栽培向けのアイテムが販売されている店などで探してみるとよいでしょう。また、水耕栽培システム自体を見直してみる必要もあります。市販のキットを使えば水耕栽培に適した環境を簡単に作り出すことが可能です。ぜひチェックしてみてください。
3-4．やってはいけないことと注意点
前述したように、アオコ自体は病原菌ではありません。植物に被害を与えることはないと思って放置してしまいがちです。しかし、大量のアオコは確実に悪影響を与えます。植物の生育不良を招く原因になるため、こまめにチェックして対処するようにしてください。そうすることで、植物は大きく育ちます。
4．水耕栽培のアオコ予防法
アオコの発生を予防するために知っておくべき水耕栽培の最適環境についてご紹介します。
4-1．最適環境とは？
アオコの発生を防ぐためには、普段から水耕栽培のための環境を整えておかなければなりません。水温は冬でも15～25℃を維持してください。ポイントは、温度変化を与えないことです。1日の間で温度変化が激しい季節は特に気をつけましょう。日光が当たりすぎる場所に置いておくと日中だけ水温が上昇してしまうため、置き場所を変えるなどして管理してください。また、水の取り替えはこまめに行いましょう。水を常に清潔な状態にしておくことも、アオコを予防する上で重要です。アオコが発生したらすぐに容器を掃除して、新しい水に取り替えてください。
4-2．注意点
水耕栽培の水は汚れやすいため、アオコの発生を防ぐ目的以外でもこまめな取り替えが必要です。アオコが発生していなくても、濁りやぬめりが出てきたらすぐに取り替えるようにしてください。特に、日光の当たる場所に置いているものは雑菌が繁殖しやすいため、毎日水を取り替えましょう。水替えをする際には、植物の根を傷つけないように気をつけて行うようにしてください。
5．水耕栽培のアオコ対策に関するよくある質問
「水耕栽培のアオコ対策について知りたい」という人が感じるであろう疑問とその回答をまとめてみました。
Q．水耕栽培のアオコ対策が難しいと言われているのはなぜですか？
A．水耕栽培では液体肥料を使用します。肥料が溶け込んだ溶液はアオコにとって最適な環境であるため、対策が難しいと言われているのです。
Q．ハイドロカルチャーで水耕栽培をしています。カビが発生する原因にはどのようなものがありますか？
A．カビの原因は水の与えすぎと風とおしの悪さです。よく風がとおる日陰に置き、水やりは1週間に1回で十分でしょう。
Q．水耕栽培で植物を育てる上で、アオコ以外に注意すべきものはありますか？
A．カビや根腐れのほか、植物ごとにかかりやすい病気があります。いずれも栽培環境や管理の仕方に問題があって発生するため、正しい育て方を把握してください。
Q．水耕栽培キットを使うとアオコが発生しませんか？
A．水温や光の量などをしっかりと管理できるキットを使えば、アオコの発生を抑えることができます。ただし、説明書どおりに正しく使用しましょう。
Q．水耕栽培キットはどのように選べばよいですか？
A．デザインや値段を重視するのはもちろんのこと、育てたい植物に合ったものを選ぶようにしましょう。機能もさまざまなので自分が何を希望するのか考えてから選んでください。
まとめ
水耕栽培のアオコ対策について、原因や予防法などをまとめてご紹介しました。水耕栽培でアオコが発生するのは珍しいことではありません。発生したからと言って栽培が失敗ということではないのです。しかし、そのまま放置しておくと植物が大きく成長しない可能性があります。ぜひこの記事を参考にして、アオコが発生しないための対策を知ってください。
