イチゴの栽培でかかりやすい病気は? 予防法について徹底解析!

イチゴ栽培は難易度が低く、中型のプランターで育てることができます。人気のある植物で、初心者でも成長過程を楽しむことができるでしょう。近年、注目されている水耕栽培でも、簡単に育てることができるのです。しかし、正しく育てなければ、病気になる可能性があります。イチゴの病気は、さまざまな種類があるため、それぞれの特徴や予防法を把握することが大切です。本記事では、イチゴの病気や水耕栽培と病気の関連性・対策法・予防法などについて説明します。

  1. イチゴの病気について
  2. イチゴの水耕栽培と病気について
  3. イチゴの病気~対策方法について
  4. イチゴの病気~予防法について
  5. イチゴの病気・栽培に関してよくある質問

この記事を読むことで、イチゴの病気を予防するために必要な知識を身につけることができます。育てたいと思っている方や対策方法が知りたい方は、ぜひチェックしてください。

1.イチゴの病気について

元気なイチゴを育てるためには、病気の基礎知識を身につけることが大切です。イチゴの病気や原因、病気になりやすい環境・種類・条件などについて詳しく説明します。

1-1.イチゴの病気とは

イチゴでよく見られる病気と言えば、うどんこ病・萎黄(いおう)病・炭疽(たんそ)病・輪斑(りんはん)病が挙げられます。それぞれの特徴について、以下にまとめてみました。

  • うどんこ病:5~6月ごろに発生しやすく、小さな白色の斑紋や粉のような白いカビが出てくる
  • 萎黄(いおう)病:1枚の葉が黄色に変わり始め、進行するほどに枯れる
  • 炭疽(たんそ)病:夏の高温期に発生しやすく、ほかの株に伝染する。苗の中心部分や葉に斑点が現れ、茎が黒くなりやすい
  • 輪斑(りんはん)病:育苗期に発生しやすく、葉に紫赤色の小斑点が現れる

病気になると、葉や茎が枯れるだけでなく、ほかの株に移る可能性もあります。早めに対処するためには、常に状態を確認しておかなければなりません。

1-2.原因

イチゴが病気にかかる原因は、ウイルスや細菌・カビがほとんどです。たとえば、「うどんこ病」は、カビが原因となります。梅雨や初秋の気温が低く、カビが発生しやすくなるのです。ほかにも、萎黄病は土壌汚染が原因で、病原菌がいた場所の栽培による感染が原因と言えます。ほとんどは、土壌感染・親株からの感染が原因でしょう。

1-3.病気になりやすい環境・種類・条件など

ウイルスや細菌は、風とおりのない場所や高温・多湿で発生しやすい傾向があるため、日当たりの良い風が当たる場所で育てることが大切です。また、土栽培の場合は、土壌汚染に気をつけなければなりません。不適切な排水や作物に寄生していた病気が土の中に残り、伝染します。

2.イチゴの水耕栽培と病気について

近年、注目されている栽培法が水耕栽培です。水耕栽培でもイチゴは育てられるのか、特徴やメリット、病気にかかる可能性、土栽培の病気との違いについて説明します。

2-1.イチゴの水耕栽培について

イチゴは水耕栽培で育てることができるのでしょうか。水耕栽培を始める前に、詳しく確認しておきましょう。

2-1-1.水耕栽培は可能か?

水耕栽培で育てられる植物は、ハーブやレタス・ミズナなどの葉物野菜が代表的ですが、イチゴも育成可能です。実際に、イチゴを植物工場で育てることは多くなっています。イチゴには、1年に1回だけ収穫できる一季成りイチゴと、季節に関係ない四季成りイチゴの2種類ありますが、家庭菜園向きは四季成りイチゴです。季節に関係なく、1年中楽しめることができ、1年に2回収穫できます。

2-1-2.特徴・メリットについて

水耕栽培は、土を使わずに水で栽培する方法です。液肥を混ぜた水溶液に、イチゴの根っこ部分をひたすことで直接栄養を与えることができます。草刈りの手間を省けることができ、土で部屋を汚す心配もありません。狭いスペースでも育てることができるため、1人暮らしのキッチンや窓辺で育てている方も増えています。また、季節や気候に関係なく、土栽培に比べて成長スピードも速い点が特徴です。

2-2.病気にはかかるか?

水耕栽培でも病気にかかる可能性はあります。水から栄養分を吸収するため、水が汚れれば根腐れを起こす可能性があるのです。水の中にカビが発生すれば、ウイルス・細菌に感染することもあります。しかし、きちんと水を換えておけば病気にかかる確率が低くなるので、管理の仕方が大切です。

2-3.土栽培の病気との違いは?

土を使わない水耕栽培は、土壌汚染による病気を防ぐことができます。土の中に潜んでいる菌の影響がないため、土栽培よりも病気になる確率は低いと言えるでしょう。ただし、病気にかからないからと放置するのはNGです。毎日水を換えて、イチゴの状態をチェックしておかなければなりませんよ。

3.イチゴの病気~対策方法について

もし、イチゴが病気にかかった場合、一体どのように対処すればいいのでしょうか。土栽培・水耕栽培それぞれの対策方法とグッズについて説明します。

3-1.土栽培での対策法

土栽培で病気にかかった場合は、原因を突き止めることが大切です。原因が分かれば、適切な対処ができるでしょう。それでは、具体的な方法と対策グッズを説明します。

3-1-1.具体的な方法について

土栽培の場合は、土壌汚染や育成環境が関係しているため、まずはその部分を見直しましょう。風とおしの良い場所で育てていたか、きちんと太陽の光を浴びていたのか、環境を改善してください。また、サンヨール乳剤やトリフミン水和剤などの農薬を使って、ウイルス・細菌をやっつける方法もあります。

3-1-2.対策グッズ

土栽培における病気対策グッズとしては、殺菌剤・乳剤などの農薬が挙げられます。農薬は園芸店やホームセンターでも手に入れることができるので、ぜひチェックしてみてください。ただし、中には農薬を使いたくない方もいるでしょう。農薬を使わない場合は、敷き藁(しきわら)などで株元を覆い、雑草の発生や過湿を防いでください。

3-2.水耕栽培での対策法

水耕栽培における対策法は、水が大きなポイントとなります。それでは、具体的な方法と対策グッズについてチェックしていきましょう。

3-2-1.具体的な方法について

水耕栽培における病気の原因は、ほとんどがカビと言われています。よく見られるうどんこ病は、カビの1種であり、水換えを怠ることで発生するものです。もし、葉っぱが白くなったり、水が汚れていたりしているときは、すぐに水を換えてください。状態がひどくなっている場合は、イチゴが全滅する可能性があります。薬剤を使用するなどして対策を立てなければなりません。

3-2-2.対策グッズ

水耕栽培向けのアイテムが販売されている店では、病気の進行を抑えるための薬剤を手に入れることができます。水耕栽培は近年注目されているため、園芸店やホームセンターでも販売しているところがあるでしょう。しかし、種類が限られている可能性もあるので、水耕栽培関連のアイテムが豊富にそろっている店がおすすめです。また、水耕栽培キットを使用すれば、適した環境をつくり出すことができるでしょう。

3-3.注意点

土栽培・水耕栽培どちらでも、病気の発生を見逃してはいけません。早めに対処しなければ、せっかく育ててきたイチゴが全滅する怖れがあります。葉っぱが白くなる・元気がなくなる・茎が茶色になるなどの症状が出てきた場合は、すぐに対処してください。症状を見逃さないためには、毎日イチゴの状態をチェックすることが大切ですよ。

4.イチゴの病気~予防法について

病気で悩まされないためには、適切な予防法を知る必要があります。土栽培・水耕栽培それぞれの予防法について、詳しくチェックしていきましょう。

4-1.土栽培での予防法

土栽培では、植えつけ時期を守ることです。プランターや畑で育てることになるため、外の気候や天気に左右されるところがあります。イチゴの苗植えは9~10月ごろです。植えつけ時期を守らなければ、ウイルス・細菌に感染しやすくなるので注意してくださいね。また、イチゴは生育が遅めなので、肥料が多過ぎると根が傷む恐れがあります。元肥を少なめにして、日当たりが良く、風とおしの良い場所で育ててください。

4-2.水耕栽培での予防法

水耕栽培では、新鮮な水と液肥の量が大切なポイントです。水から栄養分を吸収して植物が育つので、常に新鮮な水を与えておかなければなりません。できるだけ、毎日水換えをしてください。また、水を換えるときは容器にも注目です。容器が汚れていれば、新鮮な水を入れても意味がありません。毎日キレイにする必要はありませんが、容器に汚れがついている場合はすぐに掃除してください。そして、液肥の濃度は植物の状態を見ながら調節していきましょう。液肥の種類によって、薄める倍率が異なるため、きちんと説明書きを確認することが大切です。

4-3.注意点

土栽培・水耕栽培どちらとも、適切な環境で育てなければなりません。特に、室内で育てる水耕栽培は、日照不足になりがちです。半日は太陽の光に当ててください。もしくは、植物用育成ライトを使用するといいでしょう。また、事前に必要な道具を準備しなければなりません。自分で水耕栽培に必要な容器をつくる方もいますが、初心者はすべてがセットになっているキットを使用したほうがいいでしょう。

5.イチゴの病気・栽培に関してよくある質問

イチゴの病気・栽培に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。育てたいと思っている方は、ぜひチェックしてください。

5-1.苗の選び方が知りたい

病気を未然に防ぐためには、元気な苗を選ぶことも大切なポイントとなります。1番に確かめてほしいのが、病気が害虫におかされていないかどうか、茎の節間が短くて太くしっかりしているかどうかです。葉が大きくて厚く、色が濃いものは元気な苗の証拠になります。苗を選ぶときは面倒くさがらずに、きちんと細部まで確認してから購入してくださいね。

5-2.水耕栽培でイチゴを育てるコツとは?

イチゴの状態を毎日確認しながら、液肥を追加することです。葉っぱや茎の状態が弱っている様子であれば、適度に薄めた液肥を追加してください。ただし、茎の色が茶色になったときは、液肥の濃度が濃い証拠となります。そのときは、水を追加して濃度を薄めてください。液肥を追加するときは、濃度に注意しなければなりません。

5-3.水耕栽培キットやグッズの購入方法は?

園芸店やホームセンターでは、手に入れる種類が限られています。幅広い種類の中から選びたい方は、インターネットサイトを利用してください。水耕栽培関連のアイテムを多数販売している「水耕栽培どっとネット」は、品ぞろえが豊富です。すべてがセットになっているキットも手に入れることができるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

5-4.業者選びのポイントは?

水耕栽培やイチゴ栽培に必要なアイテムを購入する場合、業者選びが大切なポイントとなります。業者選びのポイントは、丁寧かつスピーディーなスタッフの対応です。また、品ぞろえが豊富か、最新商品がそろっているか、都道府県から許可を取得しているかなど、細部まで確認してください。テクニカルサポートやフォローが充実している業者は、安心して利用できます。

5-5.液肥は何を使えばいいのか?

水耕栽培でイチゴを育てるためには、液肥が必要です。液肥を使わなくても育てることはできますが、使用したほうが成長スピードは速くなり、茎・葉の様子が元気になります。水耕栽培に使用できる液肥は、ハイポネックス・ハイポニカ液体肥料などがおすすめです。それぞれ希釈倍率が異なるので、事前に確認しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか? イチゴは水耕栽培でも育てることができ、初心者でも育てやすい植物として人気があります。しかし、液肥・日照不足、水換えを怠れば、病気にかかるおそれがあるので注意しなければなりません。きちんと栽培し、毎日水を換えておけば、病気を未然に防ぐことができます。葉や茎に元気がないときは、液肥が足りていないか、環境が不適切かのケースが多いため、改善してください。正しい対処・対策をするためにも、イチゴの栽培や水耕栽培のポイントを押さえることが大切です。


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