水耕栽培における発根促進剤の効果と知っておくべき使い方のコツ

発根促進剤の効果や使用方法をご存じでしょうか? 植物が育つには栄養が必要です。特に水耕栽培では水さえあれば栽培できると思っている人も多いことでしょう。しかし、栽培の成功率を上げるためには、発根促進剤の使用が必要になります。発根促進剤とは、挿し木や苗の発根を促す一種のホルモン剤であり、使用することで根が生えやすくなり、植物の栽培もうまくいきやすくなるでしょう。しかし、実際には発根促進剤の存在や効果を知らずに植物を育てている人もたくさんいます。

この記事では、発根促進剤の使用目的や与え方・選び方などをまとめてご紹介しましょう。

  1. 発根促進剤の基礎知識
  2. 水耕栽培と発根促進剤について
  3. 水耕栽培における発根促進剤の与え方とコツ
  4. 水耕栽培に発根促進剤を導入する方法
  5. 発根促進剤に関するよくある質問

この記事を読むことで、水耕栽培における発根促進剤の効果や取り入れ方などが分かります。ぜひ参考にして、植物の栽培を楽しんでください。

1.発根促進剤の基礎知識

まずは、発根促進剤について解説します。

1-1.どんなものなのか?

発根促進剤とは、植物の成長を促す薬剤のことです。植物の細胞伸長を促進する作用や、細胞分裂を促進する作用があるため、植物の生育が非常によくなります。その結果、作物の成長が早まり、収穫の増加も期待できるようになるでしょう。

1-2.使用目的と使用シーン

発根促進剤は、挿し木を行う際に使用すると効果的です。挿し木とは植物の繁殖方法であり、親木の一部を土や水に挿して発根させ、数を増やすことを言います。このとき、挿し木用の発根促進剤を使用すると成功率を確実に上げることができるでしょう。

また、苗の発根を促す目的で発根促進剤を使用することもあります。苗の発根が弱いとその後の生育が悪くなってしまいがちです。そういった事態を防ぐために発根促進剤を使用するとよいでしょう。

1-3.主な成分

発根促進剤にはさまざまな種類がありますが、主な成分はインドール酪酸やα-ナフチルアセトアミドなどです。植物ホルモンの一種で、細胞伸長や細胞分裂を誘導して、植物の成長と発達を促します。

1-4.種類と分類について

代表的な発根促進剤には「オキシベロン」や「ルートン」「メネデール」などがあります。「オキシベロン」と「ルートン」には植物ホルモンが使用されており、挿し木の成功率を上げるために使うのが一般的です。「メネデール」には植物ホルモンが含まれていません。酸化第二鉄を活用した植物活力剤であり、挿し木を行った後に葉が萎(しお)れないように使用すると効果的です。

発根促進剤は、根の成長を促す薬剤なんですね。
はい。発根が盛んになれば植物の成長にも良い影響を与えます。

2.水耕栽培と発根促進剤について

水耕栽培における発根促進剤の必要性や土栽培との違いについてご紹介します。

2-1.水耕栽培に発根促進剤は必要なのか?

発根促進剤には植物の成長に必要な要素がバランスよく含まれており、水耕栽培で起こりがちな育成不良や着果不良を改善する効果があります。そのため、水耕栽培の成功において必要な存在と言えるでしょう。「水耕栽培がうまくいかない」というときは、発根促進剤を使用してみることをおすすめします。

2-2.土栽培との違い

土栽培では、主に栄養不足になってしまった植物に対して発根促進剤が使われることが多くなっています。狭い鉢の中では十分な栄養が行き届かないため、補助として発根促進剤を使用するのです。しかし、水耕栽培では発根と成長を促進する目的で使用されます。いわば「サプリメント」のような存在であると考えるとよいでしょう。

発根促進剤を使うことで、水耕栽培がうまくいきやすくなるんですね。
はい。根の出が悪いなと思ったら使ってみましょう。

3.水耕栽培における発根促進剤の与え方とコツ

水耕栽培において、発根促進剤はいつどのように与えればよいのでしょうか。

3-1.与え方のタイミングとコツ

植物の挿し木を行う場合でご紹介しましょう。挿し木にする枝をななめにカットし、余分な葉を落としたら切り口に発根促進剤を付けてください。切り口にまぶす程度で十分です。その後、新しい水に入れましょう。ハイドロカルチャーとして仕上げる場合も、同じタイミングで発根促進剤を与えてください。

3-2.植物による与え方の違い

発根促進剤は、育てる植物によって与え方が異なる場合もあります。薄める比率や与える量・与えるタイミングなどは、説明書の記載を守るようにしてください。植物によって与え方が異なる場合は、園芸店などで相談してみるとよいでしょう。

3-3.液肥との違い

発根促進剤と間違えやすいのが液肥です。液肥とは液体状の肥料のことで「有機肥料」と「化学肥料」があります。自然由来の成分が原料になっている「有機肥料」は、ゆっくりと効果を発揮するのが特徴です。一方の「化学肥料」は科学的に作り出されたもので最近の主流となっています。液肥は植物の栽培に必要な栄養を与えるもので、発根や成長を促す発根促進剤とはその目的に違いがあるのです。

3-4.注意点

発根促進剤を使用する際には、いくつか重要な注意点があります。植物ホルモン剤であるため、使用時期や使用方法・使用料などは必ず指定されたとおりに行ってください。密閉した状態で直射日光を避け、涼しい場所に保管しましょう。

与える時期や使用量を守ることが大切なんですね。
はい。やみくもに与えてはいけません。

4.水耕栽培に発根促進剤を導入する方法

発根促進剤の選び方や購入先・価格などをまとめてみました。

4-1.発根促進剤の選び方

発根促進剤にはいくつか種類があるため、どれを選んだらよいのか分からない人も多いと思います。基本的に「挿し木の発根促進として使用する」「弱った植物の回復に使用する」など、目的に合ったものを選ぶとよいでしょう。数種類の発根促進剤を使い分けている人も多くなっています。試しに使ってみてその効果を確認してみるのもおすすめです。

4-2.購入先について

水耕栽培専門店の水耕栽培どっとネットでは、水耕栽培に必要な道具や、あると便利な道具を豊富にそろえています。水耕栽培に特化した発根促進剤も購入できるため、ぜひチェックしてみてください。インターネットから簡単に購入可能です。

4-3.価格

発根促進剤の価格には幅があります。「水耕栽培どっとネット」で販売している発根促進剤は、1,000円前後~20,000円前後まで幅広いのが特徴です。用量によっても値段が変わってくるため、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。

4-4.注意点

日本で水耕栽培用品を製造しているメーカーはまだ少なく、欲しいアイテムがそろいにくいというのが現状です。しかし、水耕栽培をより楽しむためには、進化した水耕栽培用品を使うことも必要でしょう。通販サイトなどもじっくりチェックして、豊富なアイテムがそろっているお店を見つけてください。

専門店で購入するのが一番確実ですね。
はい。不明点がある場合は、きちんと確認しておきましょう。

5.発根促進剤に関するよくある質問

「発根促進剤について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめてみました。

Q.発根促進剤を使っても挿し木に失敗しました。原因は何でしょうか?
A.日照不足や水質低下・挿し穂の生命力に問題がある場合など、挿し木に失敗する原因はさまざまです。また、気温や湿度が適切でなかったことも原因として考えられるでしょう。

Q.植物の発根能力はどのように決まるのですか?
A.発根能力は植物の年齢と関係があります。植物体が若ければ若いほど発根能力が高くなるでしょう。

Q.発根促進剤の使い方についての質問はどこに問い合わせればよいですか?
A.専門店で購入した場合は、サポートやアフターサービスを利用して問い合わせてみましょう。「水耕栽培どっとネット」では、こちらから質問を受け付けています。

Q.発根促進剤はどのくらいで効果が現れますか?
A.一般的には、使用してから3~4日程度で効果が現れます。

Q.水耕栽培キットには発根促進剤も入っていますか?
A.発根促進剤は含まれていないものがほとんどです。肥料や発根促進剤などは別売りのものを購入する必要があるでしょう。

まとめ

発根促進剤の効果や与え方のコツなどをまとめてご紹介しました。水耕栽培においては、発根促進剤を使用すると成功率が格段にアップするでしょう。発根促進剤の役割や目的・正しい使い方などを理解し、効果的に使用してみてください。注意点を守って正しく選び、使用することで必ず効果は現れるでしょう。ぜひこの記事を参考にして、発根促進剤を取り入れる方法を知ってください。


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