人気急上昇中! 話題の水栽培で栽培できる花の種類は?

ガーデニングなどを趣味とする人が増えている中、ここ数年で急激に人気が高まっているのが「水栽培」です。水栽培は初心者などでも手軽に始められるだけでなく、上級者にとっても奥の深い栽培方法となっています。しかし、水栽培についてよく分からないため、始めるのに二の足を踏んでいる方が多いのも事実です。

そこで今回は、水栽培可能な花の種類を中心にご紹介していきます。

  1. 水栽培って何?
  2. 水栽培できる花について
  3. 水栽培で花を育てる方法
  4. 花の水栽培に必要なもの
  5. 水栽培に関してよくある質問

水栽培はどういった栽培方法?

この記事を読むことで水栽培に関する基本的な知識を学ぶことが可能です。おすすめの花などについてもご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

1.水栽培って何?

水栽培って何?

1-1.どういうもの?

水栽培とは、土の代わりに養分を溶かした水溶液を使って植物を栽培することです。別名、水耕栽培ともいいます。

1-2.魅力、メリット

水栽培の一番のメリットはその手軽さでしょう。たとえば、球根類は球根自体に養分が蓄えられているため、水と日光さえ与えていればほぼ確実に開花させることができます。また、植物の種類によっては、水挿しといって茎や葉を水につけるだけで根を生やし、生育するものもあるなど、初心者にとてもおすすめの方法です。しかも、水栽培は専用の機械式のキットを使用することで、自動栽培することもできます。

また、土を使わないため周囲を汚しません。室内のインテリアなどとして利用できます。ほかにも、土に住み着く寄生虫や菌類に感染することがなく、連作障害も起きません。さらに水栽培は土栽培に比べて最大3倍もの生育スピードを誇るという点も、大きなメリットの一つです。

1-3.最近の傾向

これまで、ガーデニングといえば土を使ったものが当たり前でした。しかし、最近はメディアやネットによって前述したメリットが広く知られるようになり、人気は右肩上がりです。特に、手軽さから、園芸初心者の方などに人気が高まっています。

土を使わなくても植物を栽培できるんですね。
はい。室内で栽培ができ、土の始末も不要なのでマンションでガーデニングをしたい人にもおすすめです。

2.水栽培できる花について

水栽培できる花

2-1.花の栽培の魅力と難しい点

ガーデニングといえば、やはり主役は花ですよね。水栽培で花を育てることで、根の部分まで鑑賞することができます。おしゃれな花瓶などを利用することで、よりインテリアとしての効果が高まることでしょう。また、水栽培であれば室内でも気兼ねなく育てることができるので、お部屋を花のいい香りで満たすこともできます。さらに、前述したように、一部の草花であれば水に入れておくだけで育つので、初心者でも手軽に花を咲かせることができるのも魅力の一つでしょう。

ただし、水栽培は肥料のバランスを間違えたり、水溶液の手入れをおこたったりすると根の状態が悪化して枯らしてしまうこともあります。また、根菜類など、一部の植物は水栽培で育てることができません。

2-2.向いている花の種類

水栽培に最も適しているのは、球根系の花です。特に、クロッカスやヒヤシンスなどは相性がよいとされています。そのほかには、以下のような花が向いているでしょう。

  • サフラン
  • シラー
  • スイセン
  • ステルンベルギア
  • チューリップ
  • ムスカリ

これら以外でも多くの球根系は水栽培に適していますが、中には適していないものもあるので注意が必要です。たとえば、アネモネは球根系の花ですが乾燥状態を好むので、水気が多いと根が腐りやすく向いていません。

2-3.初心者におすすめの種類

初心者におすすめなのは、やはり「ヒヤシンス」や「クロッカス」などの丈夫な花でしょう。特にヒヤシンスは非常に丈夫な植物ですので、小学生などの教材などとしても利用されます。そのため、あまり植物の知識が十分ではない初心者の方でも、十分に花を咲かせることが可能です。

2-4.中上級者におすすめの種類

慣れた方は「チューリップ」をおすすめします。チューリップは定番の花なのに上級者向けなのか、と不思議に思われるでしょう。しかし、実はうまく咲かせるのが難しい花といわれています。それは、球根に花芽を内包していないからです。成長とともに花芽を作るので、管理をしっかりしないと花を咲かすことを失敗することがあります。簡単に咲かせるだけでなく、よりこだわりや育てがいなどを感じたい方はぜひ挑戦してみてください!

花の種類によって水耕栽培の難易度が異なるんですね。
はい。初心者はクロッカスやヒヤシンスなど水耕栽培がメジャーな花から育ててみましょう。

3.水栽培で花を育てる方法

水栽培で花を育てる方法

3-1.栽培の方法

この項目では、特にクロッカスやヒヤシンスなどの球根系を栽培する方法についてご紹介します。

  1. 球根の底面をうっすら水に接している状態にしましょう。水に浸らせると球根がダメになってしまうので気をつけてください。簡単な方法としては、ペットボトルを加工して利用する方法や、専用のキットを使用する方法が挙げられます。
  2. 2~3日ほどたって根が出てきたら、水の量を減らしましょう。だいたい、根が3/4ほど水に浸っている状態がベストです。
  3. あとは、5日に1回のペースで水を交換すれば花が咲いてくれるでしょう。

3-2.栽培のポイント

前述したように、球根を腐らせないことが重要です。絶対に、水の上に球根を浮かべるような方法をとらないようにしてください。また、意外に思われるかも知れませんが、真水は簡単に腐り、菌が繁殖します。そのため、水はしっかりと定期的に交換することが大切です。放置していると病気になったり腐ったりする原因となります。

3-3.注意点

基本的に、球根を水栽培で育てる場合、球根内に含まれている養分は使い果たされてしまいます。そのため、翌年以降も同じ球根で花を楽しみたいと考えている方は注意が必要です。一応、養分を使い果たしても、養分を取り戻すことはできます。

たとえば、ヒヤシンスの場合、根を傷めないように注意しながら日当たりのよい土に植え、10日に1回のペースで液肥を与え続けることを数年続ければ、また花をつけるようになるでしょう。

球根をどっぷり水につけてはダメなんですね。
はい。腐ってしまうのでまずはお尻だけを水につけ、発根したら水位を下げていきましょう。

4.花の水栽培に必要なもの

花の水栽培に必要なもの

4-1.自作の場合

まずは容器を作ることから始めましょう。一番簡単な方法は、前述したようにペットボトルの飲み口付近をカットし、球根の受け皿として使用する方法です。ほかにも、針金で球根よりもわずかに小さいサイズのわっかを作って花瓶などにくくり付け、その上に球根を乗せるという方法もあります。球根以外の花の場合は、まずスポンジに小さい穴を開けて湿らせ、そこに種を入れて発根させましょう。根が十分に育ってきたら、水溶液の入った花瓶に移します。球根と違って水溶液の栄養が重要なので、花に合った栄養を与えてくださいね。

水溶液の作り方ですが、水に水栽培用の液体肥料を混ぜて作ります。液体肥料には1液性~3液性にまで分けることが可能です。よくわからない場合は1液性のものを使うとよいでしょう。液性については、後述の「液性とは何ですか?」を参照してください。

最後に置き場所を決めましょう。多くの花は日光を好みます。花の生育方法などを調べてから場所を決めてください。もしも、家の日当たりが悪い場合には、照明を当てて生育する方法もあります。水栽培用に作られた照明を使用しましょう。

4-2.栽培キットについて

栽培キットを利用して栽培することも可能です。ペットボトル型の安価で手軽なタイプから、全自動で水溶液を循環させるような大型栽培キットもあります。栽培キットのいい点は、植物を育てることだけに特化して設計されている点です。自作のものよりも育ちやすいでしょう。また、デザインに凝ったものも販売されているほか、生育スピードを速める効果があるのも大きな魅力です。

4-3.購入場所について

園芸店やホームセンターのほかには、インターネットの通販サイトなどを利用して購入するのがよいでしょう。とはいえ、園芸店やホームセンターは土栽培が主力商品なので、水栽培用のキットや肥料などの品ぞろえがあまりよくありません。インターネットサイトの場合は水栽培専門のサイトも多いので、自分の理想のキットを購入しやすいでしょう。

水耕栽培のキットがあるんですね。
はい。キットを利用すれば、水耕栽培をすぐに始められます。

5.水栽培に関してよくある質問

Q.水栽培と土栽培はどちらの方がよいのですか?
A.どちらにも魅力や欠点がありますので、一概にどちらの方がいいと結論付けることはできません。ただ、室内観賞用の花を育てるという点に関しては、手軽で害虫を発生させない点などから、水栽培に軍配が上がるでしょう。屋外の場合は、養液が雨や風などの影響を受けてしまいますので、土栽培に軍配が上がります。

Q.栽培キットの値段はどのぐらいですか?
A.安いものでは数百円、高いものになると100万円近くなるものもあります。一般的に利用されているものは、だいたい数千円~数万円でしょう。たとえば、人気の高い「GHウォーターファーム」は1万円から購入できます。

Q.照明の種類について教えてください。
A.植物育成用の照明は、大きく分けて「MHランプ」と「HPSランプ」があります。MHランプは植物の成長期に重要な「青・緑色の波長」を主に照射するランプです。成長期にMHランプを使うことで植物の健康状態がよくなります。そのため、大きく丈夫に育ち、花もより大きく、より多く咲かせることが可能です。HPSランプは植物の開花・結実期に重要な「黄・オレンジ・赤色の波長」を主に照射するランプとなります。開花期にこのランプへ交換することで、きれいな花を咲かせることができるでしょう。成長期から一貫してHPSランプを使って生育することも可能ですが、やはりポテンシャルを最大限引き出すためには両方のランプを使い分けることをおすすめします。

Q.照明の時間は1日何時間がよいのでしょうか?
A.植物によっても違いますが、一般的に照明の光だけで植物を育てる場合、成長期には1日14~18時間、開花期以降には12時間程度がよいとされています。ただし、太陽光も利用しながらになるとお住まいの地域や日当たりなどで大きく変わってくるので一概にはいえません。自身の環境などを考慮し、最適な時間を割り出しましょう!

Q.液性とは何ですか?
A.一般的な肥料はいくつかの種類に分割されており、混ぜ合わせて使います。この際、どれだけ細かく分割されているかが「液性」なのです。つまり、3液性は植物に必要な栄養素を3分割しており、1液性は分割せずにすべての栄養素がバランスよく配合されているということになりますね。バランスがいいなら1液性でいいのではないかと思われがちですが、植物はそれぞれに必要となる肥料の量が違いますし、成長過程でも必要な養分の種類は変わるのです。そのため、植物のポテンシャルを最大限に引き出し、健康に育てるためには肥料の配合は重要な要素となってきます。

とはいえ、液肥の配合は植物の知識や栽培の経験が不可欠です。配合量を間違えると植物を枯らす要因となってしまいますし、初心者のうちは1液性のものを使うのをおすすめします。慣れてきたら2液性、3液性と上げて、植物に最高の配合を模索してみるとよいでしょう。

まとめ

水栽培についてまとめ

今回は水栽培に関してご紹介しました。水栽培は初心者などを中心に人気が急上昇している栽培方法です。土を使わないので、害虫が苦手な方や汚れるのを嫌う方などでも楽しむことができます。水栽培で育てることのできる花は、球根系が中心です。中でもヒヤシンスやクロッカスは丈夫ですし、水を上げているだけでも育つので、花を育てるのが初めての人には特におすすめします。また、慣れてきた中・上級者は、チューリップがおすすめです。水栽培された花はインテリアとしても最高ですので、ぜひ今回の記事を参考に始めてみてくださいね!


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