立ち枯れ病の原因と対策を徹底検証! どうすれば予防できるの?

せっかく植えた苗が立ち枯れ病になってしまったとき、どうしたらよいのでしょうか。その原因と対策についてご紹介したいと思います。立ち枯れ病は花や野菜の苗でも起こる病気で、菌の種類もさまざまです。かかるとやっかいな病気であるため、よく観察して早めに見つけてあげることが大切でしょう。

「立ち枯れ病の症状を知りたい」「農薬で治療することはできるのか?」「どうすれば予防できるのか知りたい」ぜひこの記事を読んで、大切な苗が立ち枯れ病になるのを防ぎましょう。

  1. 立ち枯れ病とは?
  2. 立ち枯れ病の原因
  3. 立ち枯れ病の予防対策

1.立ち枯れ病とは?

1-1.立ち枯れ病の症状

立ち枯れ病は、草花や野菜、観葉植物など、ほとんどすべての植物に発生します。症状としては、初めは生育がやや不良ぎみになるでしょう。病気が進行すると葉が黄色くなり、株全体が立ち枯れを起こします。最終的には株の地面付近が褐色になり、茎が腐って枯死することになるでしょう。

花壇の場合は、被害が円状に広がって拡大します。立ち枯れ病を発生しやすいのは、野菜ではハーブ類、ホウレンソウなどの葉物、サツマイモなどです。草花では、コスモスやヒマワリ、ケイトウなどが被害を受けやすくなっています。

1-2.発生しやすい時期と条件

立ち枯れ病が起こりやすいのは、気温が上昇する4~5月。11月ごろまで発生します。特に多いのは春や秋に長雨が続く時期で、高温多湿の状態が続くと蔓延しやすくなるでしょう。立ち枯れ病は、水はけの悪い粘土質の土壌で多湿になると発生しやすくなります。土壌が酸性化すると病気の発生を助長することになるでしょう。

また、種を植えるときに深く植えすぎると、根と茎が土に埋もれて湿度が高い状態になるため、立ち枯れ病を発生しやすくなります。

1-3.病気を放っておくとどうなる?

立ち枯れ病を治療せずに放っておくとどうなるでしょうか。まずは、成長が止まります。日中に葉が萎(しお)れ、最後には株の勢いが回復しなくなるでしょう。立ち枯れ病が幼苗の地際付近の茎に発生したときは、茎が腐敗して細くなり、株を支えられなくなって倒れてしまいます。立ち枯れ病は伝染病であるため、放置するとほかの株にも広がってしまうでしょう。早期に対策することが大切です。

立ち枯れ病は、どんな植物にも発症する可能性があるんですね。
はい。しかも、放っておくと植物は枯れてしまいます。

2.立ち枯れ病の原因

2-1.原因は土中の病原菌

立ち枯れ病の原因は、土の中にある糸状菌、つまりカビの一種です。春になり植物が生育すると、菌糸を伸ばして根や茎の部分を侵します。この菌は多湿状態を好み、-5~30℃前後で生育するのです。雨が多い年は特に注意が必要でしょう。

また、収穫後の土中に残り、原因菌が越冬する場合もあります。春になって気温が上がると原因菌は再び繁殖を始め、降雨時などに畑全体に広がっていくのです。さらに、立ち枯れ病に感染した株や土壌で収穫した野菜からとれる種子には、原因菌が付着している可能性があります。原因菌が付着した種子から育てると土中で菌が再繁殖を始めるため、病気が再発してしまうでしょう。

2-2.病気が蔓延してしまったら

立ち枯れ病は、初期段階で発病株数が少ないときに、発病した株だけを抜き取る必要があります。この方法で、畑全体に症状が広がることを防げるでしょう。畑全体に蔓延(まんえん)してしまった場合は、薬剤を使って対処するしか方法はありません。マンションのベランダなどで数株を栽培している場合は、すべての株を抜き取ることはできないでしょう。薬剤を利用することを検討してください。

立ち枯れ病は土の中の病原菌が原因なんですね。
はい。発見しだい治療が必要です。

3.立ち枯れ病の予防対策

3-1.早期撤去がポイント

立ち枯れ病の被害にあった株は、根の周りにある土とともに取り除いて焼却しましょう。ほかの植物への感染を防ぐため、手早く行う必要があります。枯れた葉やつぼみなども集めて、焼却処分してください。このとき使用した用具は、消毒してから使うようにしましょう。

植え付け前に土壌を消毒し、排水、通風をよくすることも大切です。株間や株元を高温多湿にしないために、間引きや剪定(せんてい)をして蒸れないように注意しましょう。また、窒素系の肥料の与え過ぎも、立ち枯れ病の原因になる場合があります。カリ不足を改善するために、ネギ類を混植することも効果があると言われているため、ぜひ試してみてください。さらに、同じ種類の作物を連作しないことも重要です。ほかにも、以下のような予防ポイントがあります。

  • 清潔な用土を使う
  • 有機質分の少ない用土を使う
  • たねまき用土に空気を入れながらよく混ぜる
  • 厚まきしない
  • まき床を水浸しにしない
  • 立ち枯れ病予防の薬剤を使う

3-2.農薬を使わずに治療することは?

立ち枯れ病を発見しても、薬剤を使用したくないという人もいるでしょう。立ち枯れ病が株全体に発病した場合は、株ごと処分するか薬剤治療をするしか方法はありません。株の上部だけに発生した場合は、発症部分から先を切り取って焼却処分をしてください。

その後、再発を予防するために土壌と畑の状態を見直します。立ち枯れ病の原因菌には、太陽光消毒と熱消毒が有効です。プランターで育てている場合は、用土を新聞紙などに広げて、何度もひっくり返しながら太陽の光に当てるようにしましょう。原因菌が死滅します。培養土は畑から持ち込まず、新しいものを利用するようにしてください。畑の用土を使う場合は、熱消毒を済ませてから使用するようにしましょう。

清潔な土を使うことも予防策の一環なんですね。
はい。また、毎日植物の様子を確認しましょう。

まとめ

野菜や植物を育てる上で、さまざまな病気はつきものです。その中でも、すべての植物に発生リスクのある立ち枯れ病については、詳しく知っておくべきでしょう。普段から立ち枯れ病を予防できるように気をつけ、もしものときはすぐに対処できるようにしておくことが大切です。そして、楽しみながら植物を育ててください。


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