家庭菜園で果物は育てられる? 初心者にオススメの果物は?

安全でおいしい野菜が作れる家庭菜園は、手軽に始められる趣味としても人気です。ミニトマトやナス、キュウリなどの野菜を育てる人が多いですが、果物を育ててみたいと思っている方もいるでしょう。

そこで、今回は初心者でも育てやすい果物についてご紹介します。甘くておいしい果物を家庭菜園で作るにはどうしたらよいのでしょうか? また、うまく育てるコツもご紹介します。果物を家庭菜園で育ててみたいという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. 果物と野菜の違いは?
  2. 果物作りが野菜作りより難しい理由
  3. 初心者が家庭菜園で育てやすい果物は?
  4. 柑橘類も育てやすい
  5. 果物を育てる際の注意点

1.果物と野菜の違いは?

甘くておいしい果物を自分で作ってみたい、と考えている方は多いでしょう。日本では一部を除き、果物は安くありません。ですから、「自分で果物を作れば食べ放題」と考えている方もいると思います。しかし、果物の栽培は野菜栽培よりもう一段階難しいと思いましょう。

果物の栽培は野菜栽培よりも難しいんですね?
自分で作ってみたい、と考えている方は多いかと思いますが、野菜栽培よりもう一段階難しいのです。

2.果物作りが野菜作りより難しい理由

では、果物作りが野菜作りより難しい理由は何でしょうか? この項では、その一例をご紹介します。

2-1.果物を実らせるには時間が必要

トマトやナス、キュウリなどの野菜の多くが数か月で成長して結実します。つまり、種や苗をまけば数か月後には収穫できるのです。しかし、果物はごく一部を除けば実らせるまでに時間がかかります。「桃栗三年柿八年」ということわざがあるように、結実するまで年々も時間がかかる果物も珍しくありません。もちろん、その間ずっとお世話が必要です。

2-2.栄養豊富な土が必要

果物を甘く実らせるには、栄養豊富な土が必要です。ですから、高級な果物は枝に1個か2個実を残し、後は全部つみとってしまいます。今は、ベランダで家庭菜園をする方も多いですが、ベランダで果物を育てようと思ったら大きな植木鉢と大量の土がいるのです。庭があれば果樹を植えることもできますが、栄養不足では実がなりません。柿や梅は昔から庭に植えられることが多い果物でしたが、おいしい実を作るなら入念なお世話が必要です。

2-3.果物は鳥や虫に取っても大好物

甘くておいしい果物は、鳥や虫にとってもごちそうです。ですから、実がおいしくなり始めたなと思ったら虫がたかったり鳥がつついたりして台無しにしてしまうことも、珍しくありません。おいしい果物を作ろうと思ったら、収穫するその直前まで気を抜けないのです。

2-4.気候に大きく左右される

果物の育ち具合は気候によって大きく左右されます。たとえば、関西から西では柑橘(かんきつ)類が庭木として植えられていますが、甲信越地方から北は屋外だと柑橘(かんきつ)類が育ちにくいのです。

また、庭木としてもポピュラーな柿は北限が山形県~宮城県になります。しかも、寒い地域ほど渋柿になる可能性が高いのです。逆に、宮崎や沖縄ではマンゴーやパイナップル、バナナなども育ちます。つまり、栽培する地域の気候風土をよく知らないと、果物は育てられません。

なるほど。果物は実らせるまでに時間がかかるんですね。
さらに、栄養豊富な土が必要だったり、気候に大きく左右されるなど、上手く育てるのにはコツが必要です。

3.初心者が家庭菜園で育てやすい果物は?

しかし、農業の熟練者だけしか果物を育てられないというわけではありません。初心者でも育てやすい果物はあります。最も育てやすいのは、ベリー類。「ストロベリー」「ブラックベリー」「ブルーベリー」といったものです。

特に、ストロベリー、いわゆるイチゴは1年草ですから、苗を買って植えれば数か月で実がなります。植木鉢でも育てられますので、室内栽培ができるのも魅力でしょう。室内で育てるなら、虫や鳥の心配もありません。

また、最近はブルーベリーを植木鉢で育てる人も多いです。ブルーベリーは、低木で鋭いとげがありあます。雌雄同体ですが、自分の花粉では受粉しにくいので結実させたいのなら、必ず2本セットで植えましょう。ブラックベリーは一本でも実がなるため、庭やベランダが狭い人は、こちらの方がオススメです。

さらに、かつては日本のあちこちで植えられていた「桑」も英語では「マルベリー」といいます。甘酸っぱくて黒い実がなりますので、桑の木が家にある方は結実させてみましょう。

ベリー類なら初心者でも育てやすいんですね。
特にイチゴは1年草ですから、苗を買って植えれば数か月で実がなります。

4.柑橘類も育てやすい

甘く大きな果物を作るためには、入念なお世話が必要です。堆肥や消毒薬もたくさんいるので、費用もかかります。しかし、レモンやスダチのような甘くない柑橘(かんきつ)類ならば、糖度を気にすることがない分、育てやすいでしょう。レモンやスダチは鉢植えも販売されています。

ただし、柑橘(かんきつ)類を屋外で育てるにはある程度の気温が必要。ですから、関東から北で育てる場合は室内の方がよいでしょう。実がなるまで年数がかかるかもしれませんが、料理にも使えますし便利です。

さらに、梅やアンズも育てやすい部類。ただし、梅やアンズを育てるにはある程度の面積が必要です。ですから、家を建てたときの記念樹として植えて、数年かけて育ててみましょう。

糖度を気にすることがない柑橘系も育てやすいんですね。
しかし、屋外で育てるにはある程度の気温が必要となるので覚えておきましょう。

5.果物を育てる際の注意点

では最後に、果物をうまく栽培する際の注意点をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

5-1.土作くりをしっかりとする

果物はやせた土地では実りにくいです。ですから、しっかりと土作くりをしましょう。果物によって酸性の土を好むものとアルカリ性の土を好むものがあります。土が合わないと実がなかなかなりませんので、注意しましょう。

5-2.お世話は入念にする

お店で売っているような果物を作ろうと思ったら、こまめにお世話してください。水や日光が不足していると実がならないか、なっても味の悪いものができます。特に、イチゴをきれいに色づかせるには日光が必要です。ですから、家の中で果物を栽培する場合は、日当たりのよい場所に置いてあげましょう。また、樹木の場合は数年にわたるお世話が必要です。

5-3.ネットは必需品

ブルーベリーやブラックベリー、イチゴは、実がなったとたんに鳥たちがついばみに来ます。ですから、必ずネットをかけましょう。梅や柑橘(かんきつ)類、渋柿などは大丈夫ですが、未熟な実が落ちると腐って悪臭を放ちます。ですから、樹木の下の掃除もこまめにしてください。

梅の場合は完熟するよりも前に収穫し、梅干しや梅酒にしましょう。渋柿の場合は焼酎につけて渋を抜くか、干し柿にしてください。そうすればおいしく食べられるでしょう。ただし、気温が高い場所で干し柿を作る場合は腐敗に気をつけてください。

うまく栽培するためには色々と注意しないといけないんですね。
しっかりと土作くりをし、入念に世話をしないといけません。またネットも必需品です。

おわりに

今回は初心者にオススメの果物の栽培についてご説明しました。

まとめると

  • 果物の栽培は野菜よりも難しい。
  • 家庭菜園で育てるなら、イチゴをはじめとしたベリー類がオススメ。
  • 柑橘(かんきつ)類は糖度が低い分育てやすい。
  • 果物は土作くりも大切。
  • お世話は入念にしよう。

ということです。

果物はお世話が大変ですが、その分実ったときの喜びは大きいでしょう。果物の栽培が初めてという人は、しばらく「観賞用」のつもりで果物を育ててみてください。そうすれば、食べられなくても諦めがつきやすいです。

また、スイカも育てやすい果物ひとつとされていますが、スイカは大きくなったら地面につく場所を定期的に変えてあげないと、太陽にあたらない部分が白くなったり腐ってきたりします。ですから、土と実が直接触れないようにワラなどを敷いてあげる必要があるのです。決して簡単ではありません。その点イチゴならば、小さいですから鉢を回すだけでまんべんなく日光を当てることができます。


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