良い土には5つの条件がある!? 野菜栽培に必要な土作り知識とは?

庭やプランターを使って野菜を育てたい。そんな方々が最初に悩むのは、やはり土作りについてでしょう。どんな土が野菜に良いのか、どんな肥料が重要なのか。なかなか初心者には分からない部分でしょう。

そこで、今回は野菜栽培に必要な土作り知識をご紹介していきたいと思います。ぜひ、最後までお付き合いくださいね。

目次

  1. 良い土とされる5つの条件とは?
  2. 野菜に必要な養分
  3. 土の作り方

1.良い土とされる5つの条件とは?

良い土の条件には5つのことを守る必要があるとされています。どのような条件を満たせば良い土となるのかをみていきましょう。

条件その1……根が十分に張れる深さ・土の硬さであること。

『土』、と一口にいっても粘土を多く含んだ重い土から、砂のようにサラサラとした軽い土までさまざまな種類があります。野菜栽培においては、重くもなく軽くもない中間の土である『壌土』が適した土です。壌土は根が張りやすいので、根の発育を阻害しません。

ただし、壌土だからといって無条件で良いわけではないので注意しましょう。プランターで栽培する場合は別ですが、庭の場合は人が上を歩いたりして固くなっています。そのまま状態では根の発育に良いとはいえません。フカフカの状態になるまでしっかりと耕してくださいね。

条件その2……pH(ペーハー)が適切であること。

pHというのは酸性・アルカリ性の度合いを示す値です。pH7が基準の『中性』で、pHが7よりも大きくなればなるほど『アルカリ性』が強く、逆にpHが7よりも小さくなればなるほど『酸性』が強いことを示しています。

野菜はそれぞれに好みのpHがあり、それにpHを合わせることで野菜がよりおいしく育つのです。たとえば、サツマイモはpHの値が5.0~6.0が適しているとされています。

では、どうやって酸性かアルカリ性かを調べれば良いのでしょうか。

まずはお手軽な方法として、『酸度測定液』をホームセンターなどで購入して使用する方法が挙げられます。ほとんどの商品は500~1,000円程度で購入でき、簡単に判別できておすすめです。ただし、正確度はそれほど高くありません。より正確性を求める場合や、pH値が厳密に決められている繊細な野菜を育てる場合には、『土壌酸度計』を購入しましょう。

土壌酸度計は高い精度がありますが、少々値段があるのがネックです。安いものでも2,000円ほどし、正確性を求めると6,000円は出す必要があります。

初心者の方はまず酸度測定液を購入しましょう。

条件その3……微生物が多く含まれていること。

土壌には多種多様な微生物が存在し、1グラムの土壌に約100~1000万もの数が生息しているといわれています。実はこの微生物たちが野菜作りに欠かせない存在なのです。

土壌微生物は他の微生物に対抗するためにさまざまな物質を生産し、スペースを取りあったりエサを奪い合ったりと争っています。一見悪いことのように思えますが、実はこれが大切。増減を繰り返すことで種類と個体数のバランスが保たれ、微生物の多様性が生まれます。

このバランスが崩れて多様性が失われるとどうなるのでしょうか。なんと、植物の病害や生育不良が起こりやすくなるのです。

微生物の多様性を保つことは、良好な生育環境を作る上でとても大切。最近は微生物による土壌改良剤なども販売されていますから、用法用量を守って積極的に取り入れていきましょう。

条件その4……通気性と排水性が良いこと。

通気性と排水性が良いことも良い土の条件です。なぜ、通気性と排水性が重要なのでしょうか。

イメージがないかもしれませんが、根というのは呼吸をしています。そのため、通気性が悪い粘土のような土だと呼吸がうまく行われず、根が育ちにくくなってしまうのです。また、排水性が悪い土も水を多く含んでしまうため呼吸ができません。根が腐ってしまう原因となるでしょう。

壌土を作ってしっかりと耕せば、通気性を排水性は良くなります。サボらず行いましょう。

条件その5……保肥性が良いこと。

水はけの良さが重要だとはいいましたが、何ごともほどほどが大切。あまりに水はけが良い土は水と一緒に土の中に含まれる肥料まで流れ出てしまいます。

ある程度の水はけがあり、それでいて肥料が流れ出ない程度の保水性がある土にしましょう。

2.野菜に必要な養分

養分その1……窒素

3大養分の1つ。植物体タンパクの主成分です。窒素が十分にあると、葉が緑色で大きくなることから葉肥(はごえ )ともいわれます。ただし、多くやり過ぎると植物自体が軟弱(なんじゃく)になり、病気におかされたり虫が付きやすくなるので注意が必要です。また、果菜類では葉ばかり繁って開花・結実が悪くなります。

養分その2……リン酸

3大養分の1つ。吸収量は少ないのですが、光合成・呼吸などの代謝作用に深く関連する養分です。リン酸が十分にあると花付きや実どまりが良くなり、果実の色つやが良くなることから、花肥(はなごえ)や実肥(みごえ)と呼ばれます。

リン酸が不足すると生育が遅れ、果実の味が悪くなるため、果菜類には特に必要な成分です。

養分その3……カリウム

3大養分最後の1つで、リン酸と違って野菜に多量吸収される養分です。植物内にふくまれる各種酵素の働きを高め、タンパクの合成等に関係します。

カリウムは根の発育を良くする働きがあるため、根菜類には特に重要な成分です。また、茎や葉が丈夫になり、病害虫に対する抵抗力を高める効果もあります

カリウムが不足すると、下葉の周縁が茶色に変化して枯れ上がるので気を付けましょう。

養分その4……カルシウム

カルシウムも野菜に多量吸収される養分で、細胞の接合・同化有機物の中和・タンパク合成に関連があります。

カルシウムは野菜が丈夫に育つために必要なものです。不足すると茎や根が部分的に枯れます。また、若い葉などに黄化がみられるようになったりして生育が悪くなることもあるようです。この状態のまま放置していると、最終的には枯死してしまうでしょう。

養分その5……マグネシウム

マグネシウムは葉緑素を作る養分で、酵素の活性化や代謝にも関係があります。不足すると古い葉が黄色になり、落葉が早くなるでしょう。

養分その6……微量要素

ホウ素・マンガン・イオウ・銅・亜鉛・モリブデン・鉄などが微量要素として挙げられます。これらの微量要素は、その名のとおりごく微量で足りる養分です。欠乏すると植物が奇形になり、多過ぎると障害がでます。

基本的には有機質肥料に含まれていますので、堆肥や有機質肥料を行えば極端に過不足することはありません。

3.土の作り方

ステップその1……雑草を抜く

庭を使った土作りの際には、まず雑草を抜くことから始めましょう。小さな草は手で、大きな草はカマなどを使って、根こそぎ取り除きます。根が残っていると、しぶとくそこから生えてくることがありますので注意して行いましょう。

ステップその2……小石や枝などの異物を取り除く

畑とする場所から大きな石や枝などを取り除きましょう。地面の中に石などの異物が混ざると、根の生育を阻害するだけでなく、ダイコンやニンジンなどの根菜類は人間の足にみえる「又根(ゆうこん)」ができてしまいます。

ステップその3……土を耕す

土を耕すことで空気が入り、通気性が良く水はけが良いフカフカの土にすることができます。すでにお話したように、野菜を育てるには排水性や通気性の良い土にする必要がありますから、面倒くさがらずに必ず行ってください。

耕すときは30センチを目安にして掘り返しましょう。スコップを使う場合は、スコップがしっかりと地面に埋まるぐらいまで刺してから掘り返すとちょうど良い深さになります。

ステップその4……肥料をまく

速効性と遅効性のものがあるので、用途に合わせて使い分けてください。元肥(種まき・植え付けをする前の土に施す肥料)には両方をバランス良く使い、追肥(作物の生育途中に施す肥料)には速効性の肥料を使いましょう。

化学肥料は濃度の高いため、少量で効果が現れます。過剰に与えると栄養過多で根が傷んだり、葉や株が枯れたりするので注意しましょう。

ステップその5……pHをチェックする

酸度測定液などを使って土のpHを調べましょう。

酸度が高いようなら石灰を使って酸度を下げてください。初心者にお勧めなのは苦土石灰(くどせっかい)と呼ばれる石灰です。苦土とはマグネシウムのことで、これを含む石灰を苦土石灰と呼びます。土壌改良材として一般的に流通していますのでホームセンターなどで購入しましょう。

逆にアルカリ性が強すぎる場合にはピートモスを使って酸度を上げてください。ピートモスは水苔やシダなどが堆積(たいせき)してできた強酸性の土です。腐葉土をさらに細かくしたような粉状の土で、乾燥状態では淡い褐色をしてます。これも一般的に流通していますのでホームセンターなどで購入しましょう。

ステップ6……畝(うね)を作る

畝とは土を線状に盛り上げた場所のことです。畝を作ることで土の排水性や通気性が良くなります。また、どこに何が植えられているのかが分かりやすくなるのも大きなメリットです。

まず熊手などで地面をならし、それからスコップやクワを使って盛り上げていきましょう。この際、東西を畝で結ぶように作るのが一般的です。

畝は高さによって平畝(5~10㎝)と高畝(20~30㎝)に分けられ、作物や土の排水性によって変わります。栽培する作物ごとに高さを調整してください。ちなみに、関東地方は関東ローム層によって排水性が良い地域が多いので平畝が適しています。

土を持ったら、最後に表面を平らにならしてください。その際に大きな土の塊などがあれば、手で砕いておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は土作りにまつわるお話をしました。

  1. 良い土とされる5つの条件とは?
  2. 野菜に必要な養分
  3. 土の作り方

野菜作りは土作りから始まるといわれています。おいしい野菜を育てるためには、まず土作りをしっかりと行うことが何よりも重要です。しっかりとやっておきましょう!


オリジナル水耕栽培システムの提案も